第9回勉強会  「心理社会的モデルを基にした全人間的運動療法アプローチ」


今回はpain nofear のお二人をお迎えして慢性痛についてご講義していただきました。

臨床の中で難渋するケースの一つとして慢性痛が挙げられると思います。痛みとはなんなのか?そしてこじれた慢性痛を持った患者様に対してどのように接するべきか?慢性痛の患者さんを担当していると悩む場面は非常に多いです。

 

 今回は2日間にわたって、痛みの基礎知識、慢性痛の評価、pain nofear のお二人が用いている運動療法アプローチについてお話していただきました。これまで私自信は痛みへのアプローチとして、筋や骨といった構造面に対する治療しか考えることしかできていませんでした。しかし、生物心理社会モデルをご紹介していただき、患者様の心理的側面や環境因子までを考慮した包括的な対応が必要であることを感じました。痛みのある患者さまを担当するとどうしても痛みばかりを治療効果の判断基準としてしまいがちですが、それが慢性痛のリハビリを難渋させる原因だということに気づきました。セラピストも患者さんも痛みだけに囚われてしまってはいけません。多少痛みがあっても、できる動作が増えたこと、活動範囲が広がったことなど違った視点にも注目していく必要があります。痛みに対する執着から抜け出し、その人らしい生活の再獲得をリハビリの目標としていくべきなのです。 

 

 講義の中では問診のロールプレイを通して患者様への対応を学びました。ネガティブな発言に対しては否定も肯定もしない中間的対応を心がけ、ポジティブな発言に対しては全面的に賞賛と肯定をする。私自身なんとなく経験で分かっているつもりでありましたが、意識しなければこうした中間的対応をとることは難しいです。しかし、問診の仕方一つで痛みを促通してしまう可能性を秘めていることに気づき、今後は注意していかなければいけないと思いました。

 

 2日目は発達運動学を利用した運動療法について学びました。運動の段階は運動発達を参考にするとわかりやすく、順序が明確で次の運動目標を共有しやすいというメリットがあります。そして脊柱の理想的なアライメントの獲得が可能になります。

慢性痛の患者さまの評価をすると異常な呼吸パターンであったり、姿勢の崩れ、グリッピングをもっている患者さんが多くおられます。そのうような患者様に対し、発達運動学的アプローチを通して脊柱の安定化を図り、理想的な姿勢・運動の獲得をして慢性痛の緩和を目指します。実際に体験してみるとめちゃくちゃ難しかったです。腹式呼吸すらまともにできません。でも効果は抜群です。矢状面の安定を獲得するだけで立位の安定性が高まることを感じることができました。セラピスト自身も練習を重ねることで自らの身体のコンディション維持と患者様の反応を感じ取れる優れたタッチの獲得につながるのではないかと感じました。

 

 2日間お二人の掛け合いの中で繰り広げられる知識のキャッチボールを見ていられるのが心地よかったです。小さな会話の中からどんどんと話題が広がり、簡単なディスカッションになったり、お悩み相談室のようになったりといろいろ場面で盛り上がりを見せてくれました。参加者の皆さんもとれも満足していただけたようで何よりです。

pain nofearのお二人のお話は何度でも聞きたい!!これが一番の感想です。

必ず機会をつくってお二人をもう一度お呼びしたいと考えております。その時はぜひご参加ください。よろしくお願いします。

 

 

 


講師:  pain nofear     

江原 弘之(ロペス)先生 

pain nofear somatic 理学療法士

西鶴間メディカルクリニック所属

日本理学療法士協会認定 認定理学療法士(運動器)

 

永田 将行(gori)先生

pain nofear kinetic 理学療法士

東小金井さくらクリニック所属

 

pain nofearとは・・・江原先生、永田先生で組むユニット名。慢性痛へのアプローチを中心にリハビリテーションから脳科学、果ては人間のあり方や人生観までを語り合う場。

参加者募集中。 pain nofear 企画書より引用

Link

 

 

 

慢性的な痛みを遮断するための啓蒙活動や事業を行う非営利団体(NPO法人)

 

 

 

Healthcare Support N Rehabilitation Laboは東京都足立区にて地域貢献を目的とし、一般の方へ向けたヘルスケアサポート活動を行っております